JR横浜駅から徒歩5分の場所にある「ルネ中等部 横浜キャンパス」を訪問し、eスポーツ統括部の内山さんにお話を伺ってきました。
内山さんが横浜キャンパスに来たのはキャンパス開校の昨年4月。以前はeスポーツのプロチームに所属しつつ弁護士事務所のスタッフとして勤務されていました。プロチームでは、コーチやアナリスト、指導者としても働いていましたが、ルネサンス高校にて生徒の夢をサポートできる環境への想いが強くなったそうです。
コロナ禍で生徒も活動が制限されている中で、この先のeスポーツへの需要はさらに増加するのではと感じているとのこと。
ルネ中等部では中学生のうちにプログラミングやeスポーツに触れて自身の可能性をひろげること、いち早くeスポーツやプログラミングを学べる環境を目指しています。eスポーツのタイトルは生徒に人気の高いフォートナイトとプログラミングを中心にカリキュラムを組んでいます。そして、フォートナイトの全国大会でTOPレベルの高校の先輩達がeスポーツの講師として活動しています。
ゲームを通じて先輩との心理的距離も近くなり、高校生にも知り合いができる。中等部では先生と生徒の以外に先輩ともコミュニケーションを取ることが多く、これまで学校で先輩と後輩の関わりが少なく自分からの発信が少なかった生徒でも、eスポーツに取り組むと自分からどんどん意見を言えるようになるそうです。先輩は生徒と年齢が近く、悩み事があれば親でも先生でもない先輩に話ができる関係が構築できるそうです。
チーム編成は基本生徒に任せていて、一度チームを組むと長く同じメンバーで活動を続けるそうです。
理由としては、ゲームへのモチベーションが同じレベルで相性が良ければ、チームとしての習熟度が期間が長ければ長いほど高くなるとのこと。高校生の大会の中には春～夏にかけて行う大会もあり、中等部に入塾していると高校1年生からチームの完成度を高めることができるといいます。
「私たちは『ゲームは効率的に上手くなれる』ということをコンセプトにしています。ここに関してはどこにも負けないくらいの思いがあります」ご自身がeスポーツのプロプレイヤーとして、コーチとして活動を続けたことで様々な経験をされてきた内山さんの思いがここに詰まっています。
多くの場合、ゲームを1人で楽しむことはしても、チームのことまで考えられる人はごくわずか。しかし、内山さんは技術に加えてチームプレイの本質を実感することこそが大切だといいます。
「クラブにはチームや個人に指導してくれるコーチや監督がいる、eスポーツも全く同じです。そして、ルネサンスにはしっかりとしたノウハウがある。」と、運営にあたってのこだわりを語ってくださいました。
中等部の方針としては、基本的に個人個人のゴールやレベルに合せた指導を行っているそうです。
スタッフはそれに寄り添い、いつでも相談ができる存在として生徒の夢を一緒に目指していきたいといいます。
アメリカではeスポーツは既にスポーツとして認められ、アスリートビザの発行やeスポーツ奨学金の制度が始まったりと、行政面でのサポートが手厚くなりました。そして海外では私立学校でもeスポーツが選択授業として取り入れられ、ノルウェーでは公立学校にeスポーツを選択科目として取り入れ注目されています。授業ではパソコンでeスポーツをプレイする以外に瞬発力などを養うための筋力トレーニングの時間を取っているとのこと。
ルネ中等部のキャンパスにもゲーミングPCに加え、筋トレを行うための器具も数多く揃えてありました。
横浜キャンパスの施設の中は清潔感が保てるよう設備などにこだわり、工夫されています。内装は広いスペースを確保するために高い天井で解放感が高く換気の良い間取りです。室内にドアや窓などの仕切りを作らず、全体に目が行き届く空間になっています。
施設を開設してから現在まで開校して1年未満ということもあり、まだルネサンス高校に進む生徒の利用が中心とのことですが、中学校に通いながらeスポーツやプログラミングに触れる機会を求めて入塾されたり、コミュニケーション能力を伸ばすために利用される方や、認知能力や運動能力の強化を目的に入塾される方もいらっしゃるようです。
自宅以外の場所で家族以外の人とつながっていられる環境は社会との大事な接点です。子どもたちの居場所は、不安や焦り、心の負担をきっと和らげてくれるでしょう。ルネ中等部ではeスポーツを通じて先生や先輩と楽しみながら様々な能力が身につき、リラックスしながら学べる施設でのびのびと過ごす生徒たちが目に浮かぶようです。
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